Everyday Something New






間接照明だけの薄暗い部屋。今日も二人は抱きしめあう。
直江の唇はしっとりと高耶の肌をつたい、首筋に痕をつけるように強く吸い付き高耶がくすぐったがるのを承知でそのままの位置で囁いた。

「あなたを愛している。」

「知ってる。」

繰り返し何回も言ってもらわないと不安なくせに、高耶はそう答える。直江は驚いたように、呆れたように、少しだけ目を見開き、そして笑った。
高耶は再び首筋に顔を埋めてきた直江の頭をより押し付けるように抱きしめ、ふと直江の後頭部に視線をとめる。

「お前のつむじって、左巻きなんだな。」

唐突にそんなことを言う。咄嗟に何の事だか分からなくて直江はまるで鸚鵡のように言葉をそのまま返した。

「左巻き、ですか?」
「うん。つむじが左に巻いてんの。時計と反対まわり。」

何を言ってるのかは分かったが、何故突然そんな事を言い出したのか直江には分からない。
そんな直江の気持ちが表情に出ていたのか、高耶は慌てて

「いや、別に意味はないんだけどな。」

と言った。


―――――ただ、『知らなかった』と思ったんだ。
昨日も思った。何だっけ・・・


直江がひょいっと高耶の後頭部を覗く。

「高耶さんのつむじも左巻きですね。」
「へぇ。知らなかった。」
「私も自分のつむじの巻いてる方向なんて知りませんでしたよ。自分のつむじなんて滅多なことじゃ見ませんからね。」
「そうだな。背中のほくろとかも知らないし・・・・。」

直江が口の端を釣り上げて高耶の背筋をそっと撫でる。

「数えてあげましょうか?」
「バァッカ。」

高耶はいたずらな直江の手を押しのけると、軽く触れるだけのキスをした。



―――――毎日お前を発見する。

例えば、
人差し指より薬指が長いとか。
風呂に入る時必ず右足から入る事とか。
そんな小さな、小さな事。
それを発見できるのがとても嬉しい。幸せになる。



高耶は直江の首に腕を絡ませ、額と額をくっつけて囁く。

「愛してる。」

「知ってますよ。」

直江は高耶の腰をキツく抱きしめて、クスクス笑いながらそう返す。
そして、どちらからともなく熱いキス。舌を絡ませ何度も何度もくちづけた。
最初は浅く、しだいに深く。

「ん・・・・。」

名残惜しそうに離れた二人の唇の間に銀の糸が結んだ。
直江はもう一度軽く唇にキスをおとす。さらに額、鼻先、頬、耳、と唇を触れさせた。

「どんなに時が流れても、今と変わらずに愛している。」

耳元に流れ込む心地よい低音。
この声は反則だと高耶はいつも思う。
直江の言葉を聞き終える前にまた高耶から口付けた。

そして直江が返してきた濃厚な接吻に陶酔してぼんやりした頭で考える。


変わらずに・・・?
違うだろう?
昨日より今日、今日より明日。
もっと、もっとお前を好きになる。




毎日、何かが新しい





[終]

しんえ 著
(2000.05.08)


[あとがき]
ああ、砂吐きそう。なんかこの二人、チュウばっかしてるわ。
一応、高耶さんは直江にメロメロな設定(直江はもちろんです)。メロメロ・・・ですよね?
ほのぼの書こうとしてたのに、書き終わってみれば、なんだかセクシーvv
ところでホントにつむじの巻き方って個人差あるのかな・・・?<知らないで書いてる(爆)
それにしても、なんと稚拙な文章なことか・・・。
とりあえず、しんえは逃げます・・・・。


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