「直江……」 いやに深刻な高耶の声に、直江は驚いてコーヒーを煎れる手を止めた。
「直江……実は、オレ……」
俯いて苦しそうに言いよどむ高耶に、直江は嫌な予感を覚える。 「実はオレ、他に好きな奴が出来たんだ」
「うっそだよ〜ん♪」 いままでの深刻な顔はどこにいったのか。にっこりと笑ってカメラを構えている高耶に、直江は間抜けな声を出す。 「お、やったぁ、すっげぇ変な顔!千秋達に送ってやろーっと♪」
出来上がった画像を覗き込んで、高耶は嬉しそうに歓声をあげた。そのまま鼻歌でも歌いそうな様子で、自室へと向かってしまう。おそらくメールで知り合いにバラまくのだろう。 「……高耶さん………あなたにとって、私はいったいなんなのですか………?」
[終]
紅雫 著 [あとがき] 「KECHONIST」投稿作品第五弾です(笑)。 「デジカメ欲しいよぅ」という願望の元に作られたお話。 別名「激写!直江信綱」編。どんな顔してるかは御想像にお任せします。 |
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