「あなたの……"下僕"ですよ」 思いっきり眉を顰めた高耶に、直江はうっとりと告げたのだった。 「私を縛ってください。俺だけの、たった一人の独裁者――――」 こうして(?)高耶は下僕直江と共に暮らすことになった。
最初は、 「どうしたんだ、二人とも」 驚く高耶に、綾子はカラカラと笑いながら言った。
「だって今日は直江の誕生日でしょ」 そう言って直江に目をやると、下僕はにっこりと微笑んだ。 「私の誕生日など、気にしなくてよろしいのです、景虎様」 見事なまでの下僕っぷりに、綾子と千秋はこそこそと額を寄せ合った。
(ちょっと直江、本気で下僕になるつもりなのかしら)
高耶は、やはり日頃世話になっているのだからということで、直江にプレゼントを贈ることにした。といっても、金を出すのは直江なのだが。
「直江、何が欲しい?」 命令とまで言われてしまっては、下僕が答えないわけにはいかない。
「あの、じゃあ……」 にこにこと機嫌よく微笑む高耶の顔が、次の直江の言葉でぴしりと固まった。
「ロープとか…」
直江の目は怖いくらい本気だ。
「…………こいつ、ヘン………」
二人のツッコミに、高耶は自分がいかに危険な男と暮らしているのか思い知らされたのだった。
[終]
紅雫 著 [あとがき] ……直江がぶっ壊れてますね(爆)。 でも本当に『最愛のあなたへ』の時の直江は「私を縛ってください」だの、「たった一人の独裁者」だのと回ってるんですよ。 ですので、これはあくまでも原作パロディってことで!(笑) |
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