カーテンの隙間から差し込む光が眩しくて高耶は目を覚ました。自分が枕にしていた腕の持ち主はまだすこすこと寝ていた。 ―――めずらしー。直江より早く目ぇ覚めた。―――
大抵直江は高耶よりも早く起きる。たまに高耶が先に起きても気配を感じるのかすぐに目を覚ます。 涼しげな目元、高く通った鼻梁、わずかに開いた口元、日差しに透けて薄茶に光る髪。 ―――ほんっと、男前だよなぁ。コイツ――― 少しのあいだぼぅっと見惚れてから、はたと気がつく。 ―――あれ?今日は俺、必修の(出席点の大きい)一限あるし、直江も仕事残ってるから早く出るって言ってたから六時半に起きるはずで・・・――― 「なんでこんなに明るいんだ?」
そう。部屋は高耶が眩しくて目を覚ますほど、直江の髪が透けて茶色に見えるほど明るいのだ。 「げ。八時半?!」 慌てて直江を文字どおり叩き起こす。 「直江っ、起きろ!直江っ、なおえぇ!!」 直江はすぐに目を覚ましたが状況が分かっていないのか、 「おはようのキスしてくれたらすぐ起きますよ。」 などと言ってくる。
「バカ!それどころじゃねぇよ。時間が無い!」
高耶は思いっきり直江を蹴り飛ばした。
急いで着替えながら、直江はすまなそうな顔で高耶にあやまる。 「いや。お前最近疲れてたみたいだし。俺もかけたはずの目覚まし止まってたし。」
高耶も着替えながらそう答える。 「私の仕事はどうにでもなりますから、大学まで送っていきますよ。遅刻でも行った方がいいでしょう?」 と言ってコートをはおり、玄関に向かう。
「でも、お前もいそが・・・」
と、高耶の頭を撫でて「また子供扱いする」とふくれる高耶の頬に抵抗する間も無いほどすばやく軽いキスをするとさっさと行ってしまった。 「いけね。急がなきゃ。」
とバタバタ仕度を再開した。
「直江。」 高耶の呼び掛けに応えた口にパンが詰め込まれる。
「ちょっとでもいいから朝ご飯は食べた方がいいんだ。」 必死に言い訳(?)をするのが可愛くてついよそ見運転で高耶の方を見るとやたら薄着だ。
「ところで高耶さん、上着は?」 話題がかわって高耶がホッとしたのもつかの間 「でも、パンを持ってくる余裕はあるんですねぇ。」 と直江はからかってくる。 「うるさいっっ」 高耶のグーのパンチが見事に直江にヒットする。 「危ないですよ!!」 こうしてじゃれあってるうちに大学に着いた。
「おい。それじゃお前が寒いだろう。」 慌てて返そうとするが直江は「外はほとんど歩かないから」と言ってきかない。釈然としないといった顔をしている高耶に直江は苦笑をもらしながら言う。
「ほら、急がないと遅刻ももらえなくなりますよ。」
そう言うと高耶は慌てて校内へ走っていった。
「おはよ、高耶。今日遅刻しただろ。」 そこでコートに気がつく。 「あれ?新しいコート買ったの?・・・・・・って違うね。大きいし、直江さんの?ま〜た高耶薄着してたんだろ。あ〜あ。直江さん、甘やかしてるなぁ〜。」 「うっ・・・・。」
高耶が図星を指され、つまって何も言えない。 「ほら、次の教室行くよ。」
と高耶を引っぱっていった。
―――いいにおい。なんかあいつのにおいって安心するなぁ・・・――― コートを抱きしめて、すーすー寝ている高耶を見て、もう一度譲はため息を吐くことになる。
[終]
しんえ 著 [あとがき] ひぃぃぃぃ!ごめなさい〜。短くて内容が薄くてつながりか無くてまとまりがない(それっていいとこナシ?)。 きぃぃぃ。直江がいいめばっかみてる!そりゃ叩かれたり殴られたり蹴られたりしたけど。 しかもリクエストの甘々はクリアできているのか・・・? む。こんなので良いのか。まあいいや。紅雫、これやる。 |
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