この源氏の君ですが、先に述べた通り実にいい男でございまして、まさしく色男と呼ぶにふさわしい生活をおくっておりました。が、そこはそれ、平安時代の男には、跡継ぎを残すという重要な御役目がございます。当然よい家柄の男にはよい家柄の娘が正室として迎えられるものでございまして、結果源氏の君は宿敵右大臣家の姫、葵の上(美弥)が御輿入れすることになったのです。
「…………で、なんでオレの部屋に来るんだよ、おまえは」 頭の中将は、なぜか自分の部屋に忍び込んで来た源氏の君を睨みつけました。
「おや?間違えてしまったようですね。でもまあ、せっかくですから……」
こうして源氏の君は頭の中将を夜這いしてしまい、なぜか葵の上ではなく、頭の中将が源氏の君の元へ御輿入れすることになってしまったのでした。
[終]
紅雫 著 [あとがき代わりの舞台裏座談会] 美弥「せっかく十二単着たのに、台詞が一個もなかったよ」 高耶「オレは台詞なんか一個もないはずだったのに、アドリブだらけでしゃべりまくったぞ(怒)」 美弥「ねえねえお兄ちゃん、美弥可愛い?」 直江「ええ、とっても素敵ですよ、美弥さん」 美弥「わぁい、ありがとう、直江さん♪」 高耶「…てめぇ、今どこから湧いてきやがった」 直江「高耶さんも今度は男役で良かったですね」 高耶「てめぇに犯られなきゃ、もっと良かったんだけどな。っていうか、なんで頭の中将が源氏に襲われてるんだよ。こんな馬鹿な話があるか!」 直江「そんなこと言われても…」 高耶「だいたい、直江が源氏だから悪いんだ。そうだ、今度から源氏は別の奴にするように、監督に直談判してやる!」 美弥「じゃあ美弥は『ちゃんと台詞ください』ってお願いしてみようかなぁ」 直江「では私は……」 高耶「おまえは言うな!なんにも言うな!これ以上口出ししたらぶっ殺す!」 (足音荒く高耶が退場して、閉幕) |
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